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と魚のよろず帖

〇五 水無月

≪水無月≫


  
 十六日 「雨上がりココロのくもり晴れ間見え ほっとため息からだ伸ばして」

 十七日 「神さまにご縁を願い手をあわす 携帯電話の写メールの前」

 十八日 「五月雨になな色香るその花に 恋する君が誰よりいとし」 

 十九日 「風吹けばはるか向こうに飛んで行く 梅雨の晴れ間の浮き立つココロ」

 二十日 「君の名を音にしてみるうれしさは どんな歌よりココロにしみて」

二十一日 「昼下がり川原の風に吹かれれば いつもの席も旅へのシート」

二十二日 「雨だれのリズムやさしい子守唄 うつらうつらと君の夢見る」

二十三日 「きしきしと胸の痛みがせつなくて オレンジの月泪でにじむ」

二十五日 「ときとして つらいと流す泪さえ 足元固める雨へと変わらん」

二十六日 「風吹いて静かに過ぎる夏の午後 きのうとあした縫いつなぐきょう」

二十七日 「ひとりやと思いすごして生きるより 誰かの重荷と思う幸せ」

二十八日 「一枚と同じ手のないきもの見て 昔の人の手仕事学び」

二十九日 「もぎたてのまっかなトマトいただけば 夏の香りの太陽の味」

 三十日 「夜遅く降り出す雨は激しくて 夏越しのみそぎ終わりをつげる」


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